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Don’t you wonder sometimes ?

つぶやき 関連する本

2冊分割と一気に

最近、なんと2冊の本がほぼ同時に刊行されました。どちらも共著ですが、内容はそれぞれまったく異なります。一冊は「元素」にまつわる科学の世界。もう一冊は「実験」に焦点を当てた実践的な科学書です。こうやって仕事をさせてくれている仲間や出版社に感謝しかありません。

こう書くとなんだか華やかに聞こえるかもしれませんが、実のところ、これらの原稿を出したのは随分前のこと。執筆中の記憶がすでに少しかすんでいるほどです。出版業界、とくに科学書のようなニッチな分野は、なかなか厳しいようです。

編集作業も校正も確認も、とにかく手間と時間がかかります。自分はなかなか間違いに気がつけないのですが、検討委員として徹底してチェックしてくださるか違いますので本当に助かります。時には「この段落のこの言い回し、本当にこのままで良いですか?」というレベルの細かいやりとりが延々と続くことも。検討委員の方々には、構成や用語の妥当性、そして表現のわかりやすさなど、幾度となく確認いただきました。今になって振り返ると、「あの時のひと手間」が、読者に届く本の厚みを支えているのだと実感します。本当にありがたい存在です。

そして現在、私が格闘しているのは「科学史」にまつわる原稿です。科学の進歩を支えてきた偉人たちの人生をたどりながら、その背後にある社会的背景や人間ドラマも掘り下げる…という、なかなか骨太な執筆。7名分の章を同時進行で進めているため、メモと年表と本の山で埋まっています。でも、担当分のうちの5名は既に提出済み。今回は珍しく早く進んでいる感じです。

書いていると不思議なもので、過去の科学者たちがまるで現代の自分に話しかけてくるような錯覚に陥ることもあります。

本が完成して世に出るその日まで、まだまだ先は長いですが、今この瞬間も、未来へ向けた「科学の物語」を綴っています。どうか届きますように。

たまたま昨日NHKのドラマで三浦しをん原作の「舟を編む」を見たのですが、そこに出てきた話がなんとも心に響きます。辞書に「水木しげるさんの項」を入れるために原稿依頼した大学教授が「この文字数じゃないと絶対に譲れない」ともめるシーンです。

この教授は水木しげるさんを尊敬するがあまり文字数を減らさないとこだわったわけですが、編集者から「辞書はあくまでも入り口です」という言葉で。響きます。今回の本も決して文字数を自由に使えるわけではありませんし、対象も大人ではありませんから、平易な文章でそして「ここを紹介してよ!」って今はなき科学者達が訴えてくるような内容を精選して進めていくしかないよなと思っています。

50人厳選、それも「おーこの人を選ぶのかぁ」という人選になっていますのでできあがりが大変楽しみです。あ、まず残り2人をかいて、二次稿にする作業があるんですがね、文字数をきっちり合わせたり、自分の最も苦手な作業の一つですw

ちなみに実験本の方は表紙に2枚写真が使われていてそこはちょっと良い気分w

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