このあいだ、散歩中にふと目に留まったサクラの葉。何気なく見ていると、いくつかの葉にぽこりとふくらんだ部分があるのに気がつきました。手に取ってみると、葉の一部がまるで“こぶ”のように盛り上がっていて、まるで植物自身が何かを包み込んでいるかのよう。
「もしや、虫こぶ……?」



そう思って中をのぞいてみると、案の定、小さなアブラムシたちが集合していました。まるで自分たち専用の温室のように、葉に守られた安全な空間でせっせと活動している様子。しかも、その虫こぶは見事なまでに整っていて、葉の表面からは中の様子がまったく見えないように巧妙に作られていました。
「自然って本当によくできてるなぁ」と感心しつつ帰宅。
すると、今度はベランダで育てているパプリカの花に目をやって、思わず二度見しました。
なんと、そこにもアブラムシが!
まさかこんな高層階のベランダにまで来るとは思わず、驚きとともに少し感動してしまいました。彼らは一体どうやってここまでたどり着いたのでしょう。風に乗って? それとも羽のある“有翅型”の仲間が飛んできた?
虫こぶで守られたサクラの葉から、ベランダのパプリカの花まで——アブラムシたちのしたたかさと適応力には脱帽です。
小さな虫たちが、植物と密接に関わりながら暮らすこの世界。目を凝らせば、身近な自然の中にも驚きがいっぱいです。

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