前回「DARSでmol」って考えたのが若干不発気味だったのですが、別なクラスではもう少し実感を持てる方法を模索しました。
粒子概念と「膨大な数」であること、これで数えるのが非常に合理的であるということを理解してもらうための方策です。
教科書には鉛筆などを数える単位が「ダースである」とか書かれていて例として使われています。

でもどうなんでしょう?今の子どもたちに鉛筆の例は。小学校時代にこれもやっているのかもしれませんが、その時点であまり実感がなくて逆に苦手意識を持っている人もいそうです。
そこで、色々な情報を集約した結果「お米」でやってみる事に変更しました。
何かと話題のお米ですから、興味関心は持ってもらえそうな気がしますので。
まずご飯を炊こうとしたときに、なんて言われますかね?「今日はご飯を炊いてきて、**粒」っていわれないよねというのが導入です。え?それはない、「何合」だよね。でも「合」って何の単位だ?ってなるのでつかみとしてはOKです。
ちなみに「合」は尺貫法での単位で「一升」の「1/10」ですね。180mLです。
「なぜ、粒で依頼しないのか?」という話では「数えにくい」とか「小さすぎる」という話になります。
「やー原子や分子の大きさなんてもっともっと小さいから、「粒」で数えてもダメなのよぉ」って話に自然につながります。そこで出てくるのが、6.0221407×10^23個を一単位にするんだって話になるわけです。
「もし、米を1mol粒があったら、どのくらいの人間の食料になりそうですかね?」という話に。
計算しやすいように数値を若干調整してぴったり出るように加工しました。
*米粒の平均質量を 0.02g
*世界の米年間生産量 7.2×10^8 トン
として計算します。
式的には
1.2×10^16 / 7.2×10^5 なりますので、計算結果は1.6×10^7です
つまり1600万年です。
ヒトが他の類人猿と分岐したのが1500万年前と言われていますから、1molの米粒があったら、世界の米生産量1600万年分というとんでもない量になるという事です。
molという単位がとんでもない量だという事が理解できるとともうに、原子の小ささなどもイメージできるはずです。基準になっている炭素原子を6.0×10^23個だと12gって考えると、原子って小さいよな・・・となっていてまあそれなりの納得があって良かったです。