ササの花が咲いていると言う話を耳にして早速サンプリングに行ってきました。圧倒的に珍しい出来事で、数十年から百数十年に一度の出来事と言われています。まあ多くの場合は60年、または120年と言われていて、今見たら次はないと言うことです。
稲科の植物なので、おー綺麗に咲いていますね・・・と多くの人が気づくような感じではないのがまた面白いところです。
そして、花を咲かせた個体は枯れてしまうと言うことがさらに面白いところです。ササもタケと同じように地下茎を伸ばして繁殖域を広げています。ですから個体と言っても簡単に「一株」というようなものではなく、広範囲にわたっていることは理解できます。
さて昨日確認に行った場所は札幌市の西岡地区にある西岡水源地(公園)です。14時に職場をスタートしてカメラを取って現地着が15時。
駐車場に車を停めてびっくり。エゾハルゼミの声がもう尋常ではありません。とんでもない数が発生しているのがわかります。
車もたくさん止まっていて、平日のこんな時間に来れる人がたくさんいるんだなぁと実感させられながら、張り切って公園内に入って行こうとしたのですが・・・なんと後ろから攻撃を受けました。ハシブトガラスです。
幸い、キャップを被っていましたので良かったですが、思い切り足で攻撃してきた感じです。帰り際に認識するのですが、自分が車を停めたすぐ後ろの木に巣があるようです。ちょっと失礼してしまったなと思います。これはやられてもしょうがない状況です。まあ、キャップかぶってなければ流血事案かもしれません。
なんて思いながら少し進むと水源地が見えてきます。その縁につけられた遊歩道を進んでいきます。もらった情報だと奥の方に進むとササが満開だったと言う話なので・・・
エゾハルゼミの声を聞きながら、抜け殻なんかも探しながら進みますが、まずはこんな場所に来るのにまた半袖で来てしまったことを後悔します。蚊もいるので・・・

でも、興味の方が勝り、どんどん奥に入っていきます。でもササに花が見つからないのです。見つかるのは超望遠レンズを水源地に向けるバードウォッチャーのみです。帰りにもまだいたので、何を撮影しているのか質問したら良かったなと今更後悔中。
おかしいなぁと思いながらどんどん奥に進んでいきます。すると、地面から一本細いイネ下の植物のようなものが出ています。カヤツリグサかなんかのような感じで・・・


よく見てみると、横には出てきたばかりのササの葉。一本出てきているものにも節があって、引っ張ってみると繋がっています。発見しました。ササの花です。
どうも開花から随分時間も経過しているのが多くて、若干残念な感じになってはいましたが、いくつか標本用にもらって帰ることにしました。
顕微鏡で花粉を観察しましたが、光学顕微鏡ではこんな程度。SEMで観察してみたいものです。

もう一つ気になったのが、この花粉を貪るように甲虫類がどの花にもいることなんです。別に60年待っていたと言うわけではなく、60年ぶりなんて関係ない、俺たちの餌だと言わんばかりです。栄養価は高そうですからね。回収した花のをパッケージした袋には沢山の甲虫も入っていましたので、なんとも自然界は・・・と言う気分になりますね。まあそうやってうまくバランスが取れているところに人間が入り込んで、やれ伐採だ、やれ植林だ、やれ殺虫剤だ、やれ自然保護だなんてやっているので訳のわからないことになってしまうわけですし。


ここの公園には「ヒグマ出没注意」の看板が出ていました。そしてもう一つ、こんな看板もありました。や、そりゃそうだろと思いましたが、きっとスズメバチのクレームも多いのでしょうね。確かに油断して刺されると事故になるでしょうし。これで丁度勤務時間終了の17時でした。

それならこれも書いて欲しいなと思ったんだけど、回収した袋の中にマダニも一匹入ってました。これだって下手すりゃ命にかかわりますからねぇ。
そして昨日かなり藪の中でひざまづきながら写真を撮影したけどダニついてないか不安になってきた・・・昨日の時点でじっくり確認しなかったのでw
と言うことでまずは「西岡公園ササの花の話」でした。ここは面白いことが他にもあったのでそれはまた別投稿で。

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