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春の女王、現る!

春のある日、いつものように学校では大騒ぎが・・・「スズメバチ問題」だ。「コンチュウが苦手」という生徒が非常に多い昨今だというのもあって、もうスズメバチなんて教室内に入ってこようものなら大変な騒ぎなのです。一応、網戸と外窓の間に閉じ込めて、隙間から逃げるのを待っていたようですが、拉致明かず、休み時間に職員室まで報告にきてみなさん困り顔。聞こえないふりをしていたのですが、なかなか大変そうなので「獲りましょうか?」という話になって現場へ向かいます。

ペットボトルの横に切れ目を入れて、内側に折り込むような形にして捕獲器は完成です。

なかなか大きな女王

見ると、立派なキイロスズメバチの女王蜂。

「殺虫剤ないの!?」とか「窓閉めて!」という声が未だに聞こえますが、そこは淡々と。春にしか見られない女王蜂なのです。

キイロスズメバチの女王は、冬を越えたばかりの1匹で、これから新たな巣を作ろうとしている時期。つまり、まだ働きバチもおらず、刺す理由も、ほとんどない。むしろこの時期の女王はとても慎重でおとなしい

その美しい体の模様と堂々とした飛び方にやはり惹かれてしまいます。「そうだな…この女王、飼ってみようか」というわけで、そのペットボトルの切れ目にマスキングテープを貼って、鞄に入れておいたけれど羽音がうるさいので弁当用の保冷バッグに収納ですw

急きょ女王蜂の飼育生活がスタート。とはいえ、本格的に飼うにはちょっとした知識と準備が必要。先日までモリアオガエルを飼育していた大きなケースがあるので、木材の小片や柔らかい紙、蜜源としてハチミツやオリゴ糖、肉として鶏肉を、そしてもちろん水。なかなか優遇された彼女の新居住地を整えた。

最初はじっとしていたけれど、しばらくするとウロウロし始め、背景としてセットされている発泡スチロールをガリガリ囓っている音がする。

活動場所としてはもちろん圧倒的にせまいですが、なんとか基本的な巣を作ってくれないかなぁと思っている。

スズメバチ=危険? だけじゃない

もちろん、スズメバチは危険な存在であることに違いはない。特に働きバチが増える夏以降は、刺激すれば刺されるリスクもある。でも、春の女王蜂はとても静かで、優雅ですらある。そして、ひとつの命として、自然のサイクルの中で確かに生きている。

彼女の様子を毎日観察することで、「恐い虫」だったスズメバチに対する見方が変わってほしいなと思う。生態を知ると、不思議と怖さが減り、尊敬に変わる。

ただ、最終的には自然に戻すのがいちばん幸せな形だと思うので、どこにどのタイミングで放してあげるかを考える必要がありそうだな・・・。

多角的に判断を

もしも春に女王スズメバチが家に入ってきたら、まずは大騒ぎする前にそっと観察してみるのもアリかもしれない。命を怖がるのではなく、尊敬と好奇心をもって接する——実はスズメバチは生態系の中でも大変貴重な役割も果たしているのですから。

スズメバチの働きバチは、昆虫の幼虫やアブラムシ、ハエ、ガなどを捕らえて巣に持ち帰り、幼虫のエサにしています。結果として、他の虫が増えすぎないように自然に調整してくれる、いわば「天敵」です。

農業害虫も食べるため、一部では益虫的な側面もあるんです。

二日目の状態はこんな感じです。随分巣の中を囓りまわっているようで、床にはその破片が沢山落ちています。

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