アポイ岳の駐車場、窓の外を眺めていると、何かが変わり始めていることに気づきました。空気が澄んで、わずかに冷たい。そして、あの予感。雪虫が舞い始める、その直前の瞬間です。
木々の枝は凍えるように固まり、遠くの山々は赤や黄色に染まり始めています。登りはじめの風は静かで、どこか緊張感を含んでいます。突然、最初の雪虫が舞い降りてきました。小さな結晶が、ゆっくりと、しかし確かに空間を埋め始めています。最初は一匹、二匹。この瞬間、時間が止まったかのような静寂が訪れます。自然の息吹を感じながら、冬の訪れを静かに迎えています。天気予報よりもかなり高確率で雪虫は雪の予報をしてくれるからです。
なかなか近くでじっくり観察することはないでしょうから、拡大した写真を再掲しておくいことにします。
アポイ岳に登ったのは1ヶ月前。今外に出てみると、確実に雪が積もっています。今シーズン3回目の雪になるでしょうか。
残念ながら、今年も雪虫たちの天気予報は当たっています。今年の積雪量は数年前にあったようなドカ雪という予報もありますが、それが外れてくれることを祈るばかりです。
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