北海道では「カラスハモ」「クロハモ」などと呼ばれる、本名「イラコアナゴ」ですが、見た目は良くないのですが安価でめちゃくちゃおいしいです。
その姿のまま売られていることは少ないのですが、ラッキーなことに先日サメを購入したときに同時購入してきました。
自分は小・中学校時代によく食べた記憶があって、結局それはインプリンティングされているような気がしています。白老の海岸沿いに土日しかやっていない激安の魚屋さんがあるのですが、そこで一度これを箱買いしたことがあります。もの凄い数を捌いてしばらく食べ続けたのですが全く飽きることなく食い尽くした記憶があります。
最近はこの食材も脚光を浴びることが増えてきて、例えば羅臼町の道の駅では「ハモ丼」として提供されていました。すり込まれた記憶が戻る感じで大変おいしかったですw。
まあ、この手の魚類はおいしいですよね。ウナギも本当のアナゴも。韓国などでよく食べられているヌタウナギも本当はチャンスがあったら食べてみたいのですが、なかなかチャンスが巡ってきません。
ということで、この面構えです。凶暴そうですよね。英語名はCutthroatです。「喉を切る」ですからね。当然、肉食魚類です。
体色は濃褐色で全長1mにも達します。今回のも50cmはあったと思います。そしてまたまた申し訳ないことに未熟な卵を持っていました。水深200~3000mで生活する深海魚で底曳き網漁で獲るようです。
調べてみると生息域は知床・厚岸〜日向灘の太平洋側、長崎県西南部。東シナ海、沖縄諸島北西部、九州〜パラオ海嶺。台湾南部、インド・西太平洋域、ハワイ諸島、オーストラリア南岸、南アフリカ、グリーンランド・アイルランド、地中海を除く大西洋ということです。苫小牧沖などで獲れたやつなんだろうなと思いました。
解剖ではないのですが捌いている過程です。
この手の魚あるあるでまずはヌメリを取ります。臭いはありますが、よく温泉付きホテルとかでありそうな「角質が取れます」的なものがあると思いますが、感覚的にはまさにそれ。ヌメリがついてしばらく立ってから垢のようになってします。まあ、取れるので良いですよね。
鱗はこんな独特な模様を作り出します。市松模様的な感じなっていいますが、長い楕円形のような鱗の組み合わせです。
そして、この特徴的な側線。鱗に穴とかではなく、体表にまで穴が見えています。これは完全にセンサとして機能しているのがわかりますよね。
内臓を引き抜くと特徴的なのがこれです。
にが玉といわれる胆嚢ですが、多くの魚では比較的簡単に破れてしまうのに、この魚の胆嚢はめちゃくちゃかたかったです。破ると絶対に激飛びするのでやめました。
わからなかったのがこれです。浮き袋の背骨側にこんなのがあるのです。まるで金属のような光沢。タチウオとかの体表の色素みたいです。めちゃくちゃ気になるのですがなんだかわかりません。
魚類の鱗のギラギラってグアニンの物質なのですが、何だろう??浮き袋とは別なのです。わかる人教えてください。
そして頭部がついているので当然 耳石 回収です。割と厚みのある丸っこい耳石でした。大吟醸などを仕込む前くらいまで磨いたお米みたいな感覚です。
やーこうなると本当に気になるのがあの銀色です。
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