朝の空気が少しだけ湿り気を帯びていて、どうして日曜日はこうなのかねぇという気分。そんななかでも歩数稼ぎで近所をうろつく、目的はあのけたたましく鳴くオオヨシキリの姿を収めるためだ。あの独特なさえずりが、風に乗って届いてくる。
今日はその声の主を探し、望遠レンズを使って収める予定。あの茂みのあたりか、それともヨシ原の中か……。
しかし、現実は甘くなかった。鳴き声は確かにする。だけど、どうしても姿が見えない。声が聞こえるたびにファインダーを構えてはピントを合わせてみるのだけれど、葦の揺れと風の音にまぎれて、どこにいるのか見当がつかない。

少しがっかりしてあたりを見渡すと、近くのイタドリの茎の上に、小さな影がふたつ。よく見ると、カワラヒワのつがいが仲睦まじくとまっているではないか。しかも、片方のくちばしには巣材らしき細い草。春の営みの真っ最中だ。そっとカメラを向けて、数枚シャッターを切る。写真を拡大して見てみると、その目は真剣で、今にも飛び立ちそうな緊張感が伝わってくる。


そんな私のそばには、もうひとつの視線があった。いつの間にか背後のフ伝染にとまっていたのは、あの人懐こいカラスだ。何度かこのあたりで顔を合わせている個体で、今日もまた近くに寄ってきて、撮影の間ずっと私の様子をうかがっていた。まるで「見つからなかったね」とでも言いたげな顔で。そいつに姿はこんな近くで撮ることができたのに・・・ちなみにこれは100mmマクロ。

オオヨシキリの姿は結局見えなかったけれど、カワラヒワの春と、友達になったカラスのまなざしに、今日の散歩は静かに満たされた。今日の歩数も無事に1万歩オーバー!

そーいや夕焼けがなかなか綺麗でした。そしてどう見てもワニに見える雲も。



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