もう一つ気になるのが「魚類の嗅覚」です。
人間と同じで鼻の穴から臭いを嗅いでいるとしても相手は水の中の化学物質。空気中の物質とはちょっと違うことと、魚類はえら呼吸なので、呼吸と一緒に「臭いを嗅ぐ」ができないことになってしまいます。
そこで、魚の鼻孔は1セット2個、左右で4個の鼻孔があって、水の出し入れではなく、水を通過させてその中の物質を感じることになります。
以前ウナギを飼っていたときに、鼻孔がかわいらしかったことをよく覚えています。
今回のワークショップで、煮干しの解剖をしましたが、子どもたちを相手にして、そんな話をしたら「嘘だ〜鼻の孔なんかないよ魚に」なんていわれたりしたのですが、実物を見ると、「わーほんとだ!」ってなってむしろこっちがビックリ。若々しい眼球だと、煮干しの鼻孔も見えるのですね。むしろそれにビックリです。
色々調べていくと、鼻孔は面白くて、元々は「ヒト」にも四個(前後のセット)あったのに、進化の過程でその一方が眼の近くに移動して、鼻涙管の入口となったといわれている。なるほどこの鼻孔の発生や進化の過程は色々面白そうで、そのうち真剣に時間をとって調べてみたいなと思った。魚類からほ乳類のヒトだとあまりにも飛躍があるので、補完する生物を調べる必要がありますもんね。
あと養殖のタイは当初の高密度飼育のストレスで、鼻孔が一個しかないそうですね。魚類の養殖って人間の都合で行っているのですが、色々と難しい問題があるよなって思いました。
養殖が必要になる理由ももちろんあるのでしょうが、「適切な量を獲ろう」という考え方をみんなが持たないときっと駄目ですよね。
煮干しの標本を作るのに、当然煮干しを買うのですが、今までは「マイワシ」だったのに、乱獲などで漁獲高が激減して、カタクチイワシが主原料に推移しつつあるようです。一時は肥料にまでされていたマイワシなのに複雑な気持ちになりました。
サンマもイワシも今は高級魚ですからね。