本日は節分。各季節の始まりの日の前日のことです。だから前回書いた「今日から大寒」という前日、つまり小寒の最終日だって節分なんですね。「季節を分ける」ことも意味しているので。ところが、江戸時代以降は特に立春の前日を指す場合が多くなったんですね。
ということで誰もが認知している「節分」が今日です。つまり明日から暦では「春」です。
そして「節分」といえば最近はもっぱら「恵方巻き」ですね。
調べてみると陰陽道で、その年の福徳を司る年神様がおる方向、恵方に向かって事を行なえば、「何ごとも吉」とされました。 その方向を向いて巻き寿司を食べることから、「恵方巻き」「恵方寿司」と呼ばれるようになったそうです。そもそも陰陽道 は古代中国で生まれた陰陽五行説を起源として、日本で独自の発展を遂げた天文や占いの技術体系。 ということで、思想や宗教ではなく、「サイエンスチック」であると言えそうです。
701年に制定された大宝律令では、陰陽寮の下に陰陽博士、暦博士などの技術者が置かれ、制度として整備されたんだって。
ってことで、毎年「恵方」が変わるんですが今年は南南東。
ちなみに、こんな商業的イベントには必ず裏があるはずです。バレンタインデーのチョコレート合戦も同じです。1949年、土用の丑の日に鰻を食べる習慣に対抗する販売促進手段として、大阪鮓商組合が戦前に行われていた「節分の丸かぶり寿司」広告の復活を画策した。1955年頃、元祖たこ昌の山路昌彦が、当時行っていた海苔販売の促進活動の一環として恵方巻を考案したのが由来なんだそう。
そうか、うな丼/うな重vs寿司という構図に巻き込まれたんですね。まあ、海苔はおいしいので良いのですが、「売れ残り」を生じさせるのはやめて欲しいところですね。あと、喉つまりと。
一方もう一つのイベントである豆まき。これはどうでしょうか?
豆まきは、古代中国から伝来した「追儺(ついな)」という行事に由来します。平安時代の追儺では、方相氏と呼ばれる鬼払いの役人が先導し、桃の弓と葦の矢で魔物を追い払っていましたが、次第に広範囲にまけて生命力を意味する豆にとってかわり、室町~江戸時代に庶民に広がったといわれています。
社寺では「豆打ち」が行われるようになり、庶民は「豆まき」として親しむようになっていきました。
このときにまく豆は「大豆」です。大豆は五穀のひとつで、穀霊が宿るとされており、米に次いで神事に用いられてきました。大豆は米よりも粒が大きく、ぶつけた時の音も大きいので、悪霊を祓うのに最適であることや、魔の目(魔目=まめ)に豆をぶつけて魔を滅する(魔滅=まめ)というダジャレのような目的もあるようです。
ただし、豆まきに用いられる豆は炒り豆でなくてはいけません。これは、生の豆を使って拾い忘れたものから芽が出てしまうと縁起が悪いとされているからで、「炒る」が「射る」にも通じています。つまり、「豆を炒る」=「魔目を射る」で「魔滅」となるわけです。面白い文化ですね。
ところがです、自分はずっと北海道ですが、北海道って殻付きの落花生を撒いているように思うのですがどうでしょうか?ソファーの隙間とかから落花生を発見したら嬉しかった記憶があります。今や袋入りの豆をそのまま撒くという文化や歴史的伝承との究極的合理主義がマッチしていて面白いなと思います。
あ、せっかくなので本日のデータ解析を。
これは何年か前に必要に迫られた&気になって仕方がなかったのでやってみた実験の結果です。
それは、乾燥した大豆はほぼ球体なのに吸水させると元の形になるのかということで、色々な豆の「乾燥時」と「給水時」の縦横比を計算し、作図したものです。なかなか面白くないですか??
ノギスで測っているときはかなり空しいですが、めちゃくちゃ面白かったです。
こう見ると、吸水後の大豆の縦方向の伸びは明らかに異質なんですよね。
そしてその理由がどうやら細胞の形に由来するらしいのです。顕微鏡で観察観察するとこんな感じ。今考えると「どうして他の豆の細胞を見なかったのかなぁ。」とおもいます。またチャンスを見つけてやりたいです。これを見ると、確かに横に長いですし、大豆にはほとんどデンプン粒がないよねっていうのもわかりますね。
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トップの画像は北海道名物「豚丼」です。エンドウ豆、グリーンピースが乗っているの可愛いですよね。そして食べたいですw