そういえば、水産データでやっておこうと思っていたことを思い出しました。
それは「ホッケの街、寿都」から、最近はなぜか「ブリの街、寿都」になりつつあるという話です。
随分な量のブリの水揚げがあるようで、「ブリってこんな北で捕れる魚だっけ?富山県の氷見とか有名じゃなかった?」という気分になっていたからです。
データで見るのが一番なのでまず気象庁の日本海についての記述を引用させていただきましょう。
日本海中部、日本海南西部では海面水温が上昇しており、日本海北東部では海面水温が上昇しているとみられます。
日本海中部、日本海南西部の上昇率は、世界全体や北太平洋全体で平均した海面水温の上昇率のおよそ2~3倍の大きさとなっています。特に、日本海中部の海面水温の上昇率は日本近海で最も大きく、日本の気温の上昇率よりも大きくなっています。日本海北東部では、十年から数十年の時間規模の変動が大きく、特に1920年代の水温が高いことから、海面水温の上昇率が他の海域と比べて小さくなっています。
季節別にみると、日本海中部では冬季の上昇率が+2.54℃/100年と最も大きくなっており、ほかの季節でも海面水温が上昇しています。日本海南西部でも、全ての季節で海面水温が上昇しています。日本海北東部では、秋季に海面水温の上昇傾向が現れています。
日本海は大洋と違って割と閉鎖的な水域ですよね。そんな関係もあって水温の上昇が異様に高くなるというのはありそうです。
寿都町のサイトを見ると、2020年のブリの大量水揚げは11月。気象庁の最後の文章の「秋季に海面水温の上昇傾向が現れています。」の通り暖かい水域を北上しているのでしょうね。
問題だなと思うのは、水温の上昇率が異様に高いということでしょうね。地球温暖化と言われていて、世界中で海水温も上昇しているのでしょうが、その上昇率の2〜3倍というのがやはり日本海の特殊性を表しているように感じます。
さて、ではこの3つのグラフを見てみましょう。
2011年以降の漁獲量の異常な増え方が気になります。
そしてバブル期に価格下がってたんですね。ウニは上がってたのにブリは下がってたのか。不思議。いやまて、これは北海道の話だから、それこそ高級ブランドブリを購入していたのかも知れないな。
南の方のブリの獲れ方が減っていて、それが北で獲れているのであれば、バランス的にはそれほど問題はないとして、もし日本海中どこででも大量のブリが獲れているのだとしたらそれはまた別な問題が生じますよね。
なぜならブリは肉食の魚類だからです。出世魚ですから、ブリが最終形態だとして、ブリと呼ばれるには80cm以上の体長が必要です。もの凄い量の小魚を食べそうですよね。なんだか海が色々変わっていきそうな気がしてしまいます。
ちなみにWikipediaのデータでは2010年の水揚げが多い順に
1位 島根県…1万8000 トン
2位 鳥取県 …1万5400トン
3位 長崎県 … 9600トン
4位 石川県 … 8900トン
5位 千葉県 … 7200トン
ですからここに2020年度の北海道を入れてみるとまさかの鳥取と同着の第二位です。これなんか恐ろしくないですかね?
そして2019年の水揚げトップ10。何と北海道は4位です。結局、南の方は安定して獲れているって事になりそうですね、恐。
いや、まあおいしいんであまり考えなきゃいいのかも知れませんがね…
うまそw
自然科学ランキング