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シマゾイ

メバル科メバル属の魚で北の海に生息しています。もの凄く美味しい魚だと思うのですが、価格は安いので重宝します。しかも、捌き甲斐のある魚だったりします。肝も胃も美味しく、骨と皮以外捨てるところがないという印象です。骨もなかなか良いだしが出るので、アラ汁にしたらさらに捨てるところがありません。

ただ、ヒレやエラ周辺に強烈なトゲがあるのでそこは要注意です。

この個体は若干目がくもり気味ですが、なかなか美味しかったです。

「醤」のワークショップで話をした「鼻孔が4個」というのをはっきり確認できる写真を残しておきます。こうやって真上から見てみると、目の飛び出し方が非対称ですが、水圧の関係などもあるので、生きていたときからこんな感じだったかどうかはわかりませんよね。

この角度からみても、トゲの様子も見えます。とにかく気をつけて鱗を取らないと大変です、、ササったらアウト。

大きな口で餌を丸呑みなのですが、この個体はこんな感じで餌が逆流していいました。これも、どういう理由なのかはわかりません。でもかなり消化されていますので、おそらく胃からの逆流物です。胃の中には二回りくらい小さいソイの仲間が入っていて、かなり消化されていました。

見えているのは「さいは」(鰓耙)で、口から吸い込んだものを固形物(餌や小石などの異物)と水とに分離する濾過器官になります。鰓の一部と言うことになります。このくらいはっきり見えるのは大きな口を開けることができるからです。

鮮やかな赤っぽいのが鰓です。水中から酸素を取り込む器官ですね。この角度だと、鰓と「さいは」の位置関係がわかります。鰓からは代謝で生じたアンモニアなどを水中に放出する作用もあります。

もちろん血液は心臓で体内を回すわけですが、魚類の心臓は1心房1心室です。綺麗に取り出すことができました。右側の白っぽい部分が心房です。心臓から出た血液はすべて鰓を経由してから全身に送られるので、1心房1心室でも効率よく酸素や二酸化炭素の交換を行うことができます。

皮を剥がすとこんな感じの美しい身がみえてきます。もちろん刺身で美味しくいただきました。

安いのですが、これだけ楽しめて、おまけに美味しいのでバッチリです!

ってことで、これ2022年最後の「魚さばき」でした。まあ、自分のなかでは解剖ですw


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